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執筆者の写真yoijoho

キャリア イコール 私の生きがい、キャリアウーマンの幸福感

皆さんこんにちは。ニューヨーク帰りのインテリアデザイナーの秋野です。今日は私がインテリアデザイナーのキャリアを持って生きている事によって、幸福感が最高に達したというお話をします。

2022年夏、ワールドトレードセンターのオフィスからの眺め。当時ニューヨーク市では、室内ではマスクをしなければなりませんでした。


ニューヨークに住んでいても、キャリアを持つには、女性の方が男性より障害が多いとは思いましたが、アメリカに住んでみて、アメリカと日本では一般人の意識が明らかに違うのだという事がわかりました。

アメリカでは女性がキャリアを持つことを奨励することは当たり前のことです。ハードルは妊娠、出産、子育てにあてる時間と労力の消費分だけ男性に比べて遅れを取る可能性がある、という心配です。しかしこれらは、収入の多い人はお金で、夫が主夫として家事や育児をすることで、または他の家族のメンバー、例えば祖父母に子供を預けたりすることで、物理的に解決することは出来ます。

またパンデミックによりテレワークをする人が増え、子供のいる自宅で働く事ができるので、お母さん達の中には、仕事と子育てを両立できるシステムを整える事ができるようになった人達も沢山いると思います。

アメリカでは結婚や出産を計画的に進めることが出来れば、持続的な女性のキャリアアップは充分可能です。また会社勤めならば、働く企業を変えるごとに、更に上の職務に就くことが可能なので、出産などで数か月働かなかったとしても、次の仕事探しにもそれほど影響はないと思います。

それに対してまだ日本では、なかなかアメリカのようにはいかないようだと、日本に帰って来てから感じています。なぜなのかアメリカに住んだ私が自分なりに分析してみました。

私は32年前に「日本では自由に自分のために生きることができない」と確信し、アメリカに渡りました。そんな私がキャリアウーマンに決定的に不利だと思う、日本の文化について幾つか例を挙げます。


一番致命的な文化は、集団主義的な空気を感じる場面がよくあることです。これがキャリアを持ちたい女性にとって、自主性と独立心のある生き方をしようと思っている最中に、妨げになっていると思います。


個人の思想を持つ権利は憲法でも守られているにも関わらず、日本では周りの人の振る舞いや考え方や、空気に合わせないと居心地が悪くなります。集団主義的な社会では、個人の権利の大切さを意識する機会が充分に与えられていません。


その典型的な例は、日本では暗黙の了解で女性はサポート役。宴会の場で料理を進んで同僚の男性の皿に盛ってあげる係は女性。したい本人だけがその係になるのは構いませんが、その席にいる他の女性達もその役割を果たさないと、彼女らを気まずくさせてしまうのはなぜでしょうか。

日本には女性のお茶くみ、という習慣がいまだに存在しているようです。これはずっと昔から不公平だと言われているのに、2023年現在まだ行われているようなので驚きました。廃止するべきです。お茶くみは、男女区別無しに係を決めるべきです。アメリカではお客さんの相手をする社員が自分で水を持って来ていました。”Would you like a glass of water?” とどこかの社長さんも私が会議室で待っている時に聞いてきてくれて、自分で水を持って来ました。もちろん社員達は自分でお茶を入れます。


女性のキャリアアップには日本の男性の意識革命が必要です。それは男性の女性からの独立です。お茶汲みと宴会の例のように、「男性だからしなくていい」という風に当然に思っていて、何の疑問もない人達に、女性がどう思っているか明確に伝えて、男性が意識的に彼らの行動を変えてもらうよう、協力してもらう事が必要です。また時々テレビショッピングのコマーシャルなどで、「女性でも出来ます。」とか「女性でも使う事が出来ます。」と表現するされているのを聞きます。このような言い方は男性が思いついたのでしょうか。これも完全に差別的な表現ですから、意識して使わないようにするべきです。


育児休暇制度や保育所などの設備が将来改善されて行ったとしても、上の例のように未だに女性が不公平で差別的な立場に留まらされている日本では、キャリアウーマンを目指す女性の為に社会全体が進化の方向に動いていません。


日本の伝統的な社会階層分化が、自己主張のある女性を抑え込もうとしている空気があります。この進歩しない日本社会には従順な女性も多くいます。しかしこれはあきらめと空気を乱さないようにするため、女性達が屈辱的とも言える我慢をしているだけなのではないでしょうか。


出産や育児のための政策や設備の充実と同時に、日本社会全体の意識改革が必要です。自分の人生なのだから許可を取る必要はないはずですが、キャリアウーマンになるために世の中に許可を取らなければいけないような、周りの人に謝りながら生きなければならないような、外部からのプレッシャーを感じながら毎日生きなければならないのでは、真の自由はありません。


私は32年前アメリカに立つ時に、自分の生きたい生き方で行くんだ、と決心していました。ニューヨークは他人が何を思おうと、我が道を行く事が出来る場所でした。以前に日本に居たときのように、女性なのにという周りからの視線は感じなくて良かったのです。現在の私はキャリアを持つことができたので、人に頼るのではなく自分で自分を幸せにする事ができます。自分の為に生きることが生きがいだとニューヨークでキャリアを積んできて真に分かりました。



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