皆さん、こんにちは。ニューヨーク帰りのインテリアデザイナーの秋野です。今日はニューヨークと日本の小さいアパートのキッチンの違いとハーレムのアパートのキッチンのリノベプロジェクトについて、お話したいと思います。
上の写真でも分かるように、ニューヨークではこんなに幅が狭いミニレンジ でもコンロに4つもバーナーが付いています。それからオーブンも付いています。日本では小さいアパートのコンロはIHなどが多く、バーナーは一つか二つが多いようで、焼き魚用グリルが付いているものもあるようですね。アメリカではオーブンは欠かせなくて、私にとっても使い勝手がありました。私はオーガニックフードスーパーで買ってきた日本のサツマイモを、オーブンに放り込んで焼き芋を作って食べていました。バーナーは私にとっては4つも必要ではなくて、同時に使うのは2つだけでした。それに対し日本のキッチンでは、バーナーひとつのコンロではインスタントラーメンしかできないな、という感じです。掃除が面倒なため、焼き魚用グリルを、実際に魚を焼くのに活用している人は少ないようで、本来の使い方とは違うパンや野菜を焼いているだけの人も多いような気がします。
ニューヨークのアパートは、賃貸は大家さんが冷蔵庫も取り付けなくてはなりません。自分の好きな冷蔵庫は選べませんが、引っ越しの時は運ぶのが大変なので、私は冷蔵庫はアパートについていた方が、便利だと思いました。日本では冷蔵庫もアパートを借りる人が、買ったり持って来たりしなければならないのは、賃貸の場合は不便だと思います。
上の写真のプロジェクトのクライアントは、大学院で博士号を取得するために勉強している人でした。このハーレムにあるアパートは、市場の値段よりも少し安く買えたようですが、修理と改善が必要でした。学生なので余り大きな予算がなかったのですが、私としてはそれ故に、如何にお金をかけずにスタイリッシュで機能的に変身させるためのデザインチャレンジになり、楽しいプロジェクトになりました。
写真左のBeforeは、ニューヨークの一般的なアパートの、小さいキッチンの例ともいえる物です。不動産屋か以前のオーナーが、最低限の費用で使う人の考慮無しで取り付けたようなキッチンの代表的な例です。知り合いの工事会社に、新しい住人がとても困っている様なので、話を聞いてあげて欲しいと、このクライアントを紹介されました。
キッチンのキャビネットは安いものでは、クオリティの良いものは手に入らないし、キッチンキャビネットの上の人口石のカウンターは値段が高いので、レストランの業務用キッチンの様なデザインはどうか提案してみました。シンクは手ごろな値段で買える洗濯用のシンクを使い、その隣のステンレスのカウンターは、業務用キッチンのサイトで見つけました。一番右の細い白いスライド式のカートはスパイスラックです。丁度隙間にはまるものを探しました。シンクの上には食器用の水切りを付けました。オーブンレンジの上にはフライパンハンガーを取り付け、ステンレスカウンターの上には包丁を張り付ける磁石のバーを付けました。その上のラックは、幾つものS字フックを好きな高さに下げて、何でも好きなものをぶら下げられるようになっています。これらのキッチンアクセサリーはIKEAで全て揃えました。白い吊戸棚は取り換えずにそのまま残しました。
下の写真はキッチンの壁と床のタイルです。壁と床は同じタイルで繋がっています。壁タイルと白い壁の堺、また木の床と床タイルの堺には、細長いアルミニウムの端片を付けて素材の変わり目をスタイリッシュに仕上げました。
次の写真はキッチンを少し離れた距離から写した写真です。作業台とブレックファストカウンターを兼用したアイランドを設置しました。このアイランドのキッチン側にはレストランのキッチンのように皿やグラスなどを重ねて置ける棚が付いています。それでこの小っちゃな可愛いキッチンをシェフのキッチンと名付けました。
インテリアデザインクラフテッドは、お客様それぞれの具体的なニーズに合ったデザインを実現させるために、デザイナーが親身になって相談に乗ります。特別なニーズのある方、お問い合わせください。
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