パンデミックの間、幾つかの完全リモートデザインサービスのプロジェクトがありました。下の写真のプロジェクトは私がニューヨークに住んでいた時に開始し、完全リモートサービスで仕上げたプロジェクトの一つです。一度も工事現場には行きませんでした。
2023年の初めにこのプロジェクトは完成しました。私が日本に移った2022年の9月以降もニューヨークと日本の間で、何度もオンラインミーテイングをクライアントと行いました。またiPhoneのフェイスタイムなどで、工事会社にビデオコールで現場を映してもらい、ビデオを見ながら話し合いをし、工事を完成させました。この経験でリモートでもクライアントの為になるサービスを、問題なく届けることが出来ることが分かりました。
パンデミックの中、リノベーションの問い合わせが増えましたが、それはテレワークで一日中自宅で仕事をしている人達が増え、その人達にとって、古びたキッチンやバスルームの醜い箇所が以前より目に付くようになったためだと考えています。自宅の生活空間の中に仕事空間も取り込むのも当たり前になったため、自宅の生活環境の大切さに気付いた人達が増えたのは、とてもいい傾向だと思います。
このプロジェクトのクライアントの希望は、キッチンとダイニングルームの壁を取り除き、現存のキッチンキャビネットを新調し、アメリカで最近流行りの「オープンコンセプト・キッチン」に変身させることでした。建築士にこの壁を完全に取り除くことが可能か問い合わせたところ、その壁は2階を支えている耐力壁であるので、完全に取り除くためには、現存のBeam(大梁)を更に大きいサイズに変えることが必須で工事費用が加算されるということだったので、工事費用の予算内でクライアントの希望を実現できる他の解決策を試みる必要がありました。
建築士と工事会社とインテリア デザイン クラフテッドが話し合い提案したのは、現存の大梁を支えるため天井裏に新たな支えを加え、その下の壁を取り除いて、L字型のキッチンカウンターの尾の隣に更に大梁を支える柱を建てるというやり方でした。デザインは少しだけ変更されましたが、クライアントが望んでいるオープンコンセプトキッチンを実現させることができました。
冷蔵庫以外のキッチン家電とキャビネットとシャワー蛇口の水道やシンクなどはIKEAで揃えました。特別注文のキャビネットではなくIKEAの既製品でも、クライアントの使い勝手に応じて慎重にプランニングされたキャビネットの組み合わせや違う色の混合で、機能的で洗練されたキッチンは達成できます。インテリアデザイナーはIKEAのキッチンプランナーのレイアウトやパーツの図式や書類をお客様と一緒に何度も確認して、エラーや忘れものを指摘します。
下は、工事前のキッチンです。赤の矢印の壁が除かれた壁です。古びたキッチンがスタイリッシュな清潔感のあるキッチンに生まれ変わりました。
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